間葉系幹細胞培養上清液とは?

再生医療について

再生医療とは何なのか?答えは「自然には再生できない組織や臓器を再生させ機能を回復させることを目指す医療」ということになります。私たち人間の身体には元来再生する能力が備わっております。皮膚であれば1ヶ月~3ヶ月新しい細胞に入れ替わり、古くなった皮膚は垢となって剥がれ落ちます。同じように胃腸や肺、血管なども数ヶ月をかけて、古い細胞が脱落し、減った分だけ新しい細胞が再生し回復しています。それと同様に切り傷や骨折も新しい細胞により回復します。しかし失っていく細胞の量が、新しく再生する細胞の量を超えた時、もとに戻れなくなります。失ったものを自力で補うことができなくなった時に、他に力を借りて補う、という衣料が「再生医療」なのです。義足・義歯、臓器移植や白血病治療における骨髄移植もそのひとつですし細胞を血液中に投与したり、細胞により組織を修復したり再生したりする治療もその1つです。これらすべてが再生医療と言われています。現在、さまざまな細胞を用いた再生医療が研究されています。例えば、間葉系幹細胞を身体から取り出し、体の外で培養して数を増やし、再び患者さんの身体に戻すという治療法も行われはじめました。

間葉系幹細胞とは?

「幹細胞」による再生医療で注目されている幹細胞は大きく3種類あります。それは、もともと私たちの身体の中に存在している「体性幹細胞」と胚(受精卵)から培養してつくられる「ES細胞」人工的に作製される「ips細胞」です。体性幹細胞の代表的なものとして間葉系幹細胞があります。間葉系幹細胞は、骨、軟骨、脂肪細胞などいくつかの異なった組織や臓器に分化する能力があります。骨髄の中にあることが発見されていた間葉系幹細胞は、治療が困難な脊椎損傷や肝機能障害などの治療に期待されており、これまで骨髄由来の間葉系幹細胞の治療への実用化を目指して臨床研究が多く行われてきました。ところが骨髄由来の幹細胞は採取できる量が限られており、移植するには体外で培養し、増殖しなければならないことが多く、感染や異物の混入などを防ぐための幹細胞培養施設も必要になります。その一方で最近、注目されはじめているのが脂肪由来の間葉系幹細胞です。骨髄由来と同等の能力があり、なおかつ、より大量に確保できる脂肪由来の間葉系幹細胞が発見されてからは、これを再生治療に応用する研究が行われるようじなりました。そして、現代ではそれが主流になりはじめています。